人々を魅了するパタゴニアの山、フィッツロイの日帰り登山!

皆さん、オラ!(アルゼンチンの挨拶)
プレハネのまなみです!

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南米もなかなか自然の宝庫ですが、前回のアルゼンチンではブエノスアイレス周辺しか行けていないので、今回ここまで南下して来れたのが嬉しいです!

昨日はペリートモレノ氷河を堪能し、今日はプレハネでは初の登山です!

そう、フィッツロイの日帰り登山に行ってきます!

※写真も多く、結構長いので心して読んでください(笑)


時刻は朝7時過ぎ。

1口舐めればすぐに元気になれるブツを持って、いざ出陣です。
(日本のマヨネーズは長旅で必須)

ゲストハウスから見える景色で、すでにフィッツロイを遠くに確認できます。

夜の星空や朝焼けで真っ赤に染まる様子(ロウソクと呼ばれていました)を見るために、前日から5合目くらいまで登り、キャンプして1泊2日で堪能するプランも人気ですが、日帰りでも10時間くらいで帰ってくることができます。

遠巻きに朝陽が反射して赤く染まるフィッツロイを見ることが出来ました。

季節等の問題もあるのか、思ったほどは赤くなかったけど、登ってもいないのに見ることができたのは良いタイミングでラッキー!

ゲストハウスから登山口までテクテク。

バスターミナルのすぐそばに公園があるのですが、とても可愛らしい雰囲気で好きです。

これ、海外あるあるなんだけど、東京ってTOKYOにならずTOKIOになってること多い(笑)

これから登るフィッツロイ。

旅行好きや山好きでなければフィッツロイとだけ聞いてピンとくる人は少ないかもしれないけど、アウトドアメーカーのパタゴニアはご存じの方多いのではないでしょうか。

そう、このパタゴニアのデザインの山はフィッツロイがモデルになっています!
そしてこの辺もパタゴニアと呼ばれるエリアです。

登山口までの道中にもパタゴニアショップも勿論あるし、お土産屋さんにもパタゴニア関連のステッカーや看板などをよく見かけます。

ゲストハウス出てすぐの場所でロウソクを見るべく20分ほど立ち止まり、そこから歩き出してまた約20分。登山口に到着です。

大きな看板とかで分かりやすく案内されているのかと思えば、割とひっそりとした門があるだけで、見落としそうになります(笑)


フィッツロイ、いざ参らん!
(この時点でちょうど8時)

初めてにお伝えしておきますが、私達は2人ともガチガチの泊まり込みの登山やトレッキングの経験はないので完全に初心者です。

そんな2人が普段の軽装で登れた山なので、よっぽど体力に自信がない方は全然いけると思います。(靴も普通のスニーカー)

登山口までは平坦な道でしたが、ゲートをくぐると、すぐに小さな階段のような傾斜が現れました。

足場も普通に硬い砂なので問題なし。

2人とも2年前に登ったレインボーマウンテン(ペルー)以来の登山なので、朝からちょっとテンション高め(笑)

山登りするにしてはちょっと寝不足で疲れも溜まっていて、今日も下山してすぐに夜行バスでの長距離移動と、なかなかハードなスケジュール。

でも山の空気は本当に美味しい。

ちょっと高さがある場所まで来たので、見える景色がだいぶ変わってきました。

風の谷のナウシカに出てくる金色の世界観です。

ススキとか生えている訳じゃないのに、この金色感。

登り始めて1時間15分、街で見たよりもはっきりとフィッツロイが顔を出してきました。

ズームして撮ると、ここまではっきり。

「え、だいぶ綺麗じゃん!ちょっと疲れたし、もうここで良くない!?」と思わず言ってしまい、1発目の記念写真大会(笑)

山とか大きいものこそ至近距離で見るより少し離れて見た方が綺麗なんだよ~って、この景色に満足してしまいそうにもなりますが、まぁここまで来たんだ。

近くが良いか、離れて見るのが良いかは実際に見て判断しよう。


フィッツロイは登山中どの場所からでもあのシンボル的山が視界に入ってくれるので、かなりモチベーションは維持できます。

どれどれ、果たして本当にパタゴニアのマークと同じなのか見てみよう!

いや、携帯バッキバキ!!!(笑)
これはゆきのスマホで、モルドバの教会で地面に落としてしまったときにしっかり割れました(笑)

肝心なパタゴニアのマークとは確かにおおむね一致!笑



登山ルートは1本だけという訳ではなさそうで、時折このような案内板が出てきてくれます。

親切だなー。
2人で少し悩みましたが、せっかくなので行きと帰りで違うルートを通ってみることにしました。

行きは下側のルートを取り、帰りに上のルートで湖を眺めて帰ろうと思います。


定期的に足場が心配になるような橋がかかっており、「1人ずつ通ってください」と注意書きがされていました。

この辺までは背の高い木々が生い茂っていてまるで森の中を歩くような感じでしたが、段々と視界が開けて開放的な登山となります。

気温自体は高くないのですが、陰の無い場所をずっと歩き続けるので体温が上がってきて、岩陰に隠れてヒートテックを脱ぎました。

山登りは朝の気温や、頂上の風、登山中の体温など、服装の調整が難しいですね。

また橋が出てきましたが、今度のは細い上に長く続いているので、進行方向から来る人がいれば遠いのでジェスチャーで「お先にどうぞ」などと伝えて、1人ずつ渡ります。

ここに流れてくる水は天然の雪解け水なので、かなり冷えていて触るととっても気持ちい・・・。

この景色を見ながら、川の水で洗い、丸かじりする林檎は最高。(ゆきの朝食中)

川が近くにあり水も汲めるので、この辺りが人気のキャンプスポットとなっていました。

みんな昨日からここで寝泊まりしていたのか、良いなぁ!

私達もキャンプ装備が調達できれば、こんな場所で過ごして夜は綺麗な星空堪能したかった!


南米なので雨季の時期なのですが、この日は本当に天気に恵まれていてまさに登山日和!

初めて行くので比較はできませんが、登山客としては結構多い印象でした。

もののけ姫に出てきそうな感じ。

道中でみかけたトイレは1カ所のみ。
クオリティとしてはインドやアフリカと同等。中国のニーハオトイレよりはマシな感じです(笑)

ピカーッとまぶしく照り付ける太陽が気持ちいい!

山のぼりで浴びる日差しは標高が高いので、本当にすぐ日焼けします!そしてすぐシミになります!(歳か…)

だいぶ登ってきたので、眼下には雄大な湿地が広がっていました。

足場に大き目の石や砂利がかなり増えてきて、傾斜もキツくなってきたので、たまにズルッと足をとられそうになります。

ゆきと手を繋ぎながら、「転ぶときは一緒に転ばすからね!」と山頂を目指します。

フィッツロイはもう近そう!

降りてくる人が「almost there!! keep going!」と励ましてくれる。

登山で山頂付近になると、折り返してきた人たちが「もうすぐだよ!」って励ましてくれる感じ、すごく好きなんですよね。あと山を登ると挨拶が沢山行き交うのも素敵だなって思います。


お・・・?

見えた、フィッツロイだ!!!

登山開始から、ちょうど約4時間。
ついに山頂に到着です!

山岳の前にはこんな綺麗な湖が広がっていたのか…。
これは山頂まで登らないと知らない景色だ!

あたりには既に多くの人がいて、この絶景を前にくつろいだり、ご飯を食べたり、お昼寝したり。

いやー、さすがにちょっと疲れたけど、これは最高の景色!

ゆき
ゆき
無事に登り切ったね!
お腹も空いちゃったね!

ってことで、この贅沢な景色を堪能しながらサンドイッチで昼食!
(ここでより美味しくするために追いマヨ)

素人でも登れるとはいえ、やっぱり疲れるのは事実。
でも、この景色がみれるなら登って良かったと本当の本当に心の底から思いました。

まさにご褒美の絶景です。

ちなみにフィッツロイはアルゼンチンとチリにまたがるアンデス山脈の一部で、標高は3375m。
奥の山岳も登ることができるそうですが、このほぼ直角に切り立った形が故にかなりの難易度で登頂に成功した人は世界に数人しかいないんだそうです。日本人は今のところ2人のみと聞きました。

それにしても、天に向かって勇ましく切り立った形が惚れ惚れしてしまうほどカッコ良いです。

登ったどー!!

もう少し湖に近づけそうなので行ってみることに。

美しすぎる!
カザフスタンのビックアルマティレイクも雪解け水の湖だったので、まるで絵具を溶かしたような同じような色をしています。

みんながフォトスポットに列を成していたので、私達も。

よいっしょ。

わざと置かれたのかと思う程にベストな位置に大きな岩があり、これまた良いショットポジションです。

私達の前のカップルの写真を撮ってあげたので、私達のも撮ってくれると言ってくれました。

いいね、めっちゃ良い写真!

山の水は綺麗に見えても、飲むには一度煮沸が基本だと聞いていましたが、みんなボトルに汲んだりして美味しそうに飲んでいました(笑)

結局最後までお腹を壊すことも全然無かったです!

本当に水が澄んでて、奥の山岳と相まってこの上ない絶景。

もはや芸術的にすら感じるほどの完成度です。
こんな美しい場所があったんだ。

世界中回って綺麗な場所って沢山見てきてますが、「衝撃が走るほど」の感動って実はそこまで多くなかったんです。

でもここは違う。
またパタゴニア地方に来ることがあれば、きっと何回でも登りにきますね、これは。

近くにいた観光客が「これで覗いてみなよ!」と双眼鏡を貸してくれました。

降りるのが勿体ないと思えるくらいにこの景色に酔いしれていました。

時間が許すならこの場所にもっと居たい。

結局、この山頂には2時間ほど滞在し、心行くまで景色を堪能しました。

2年経った今でのこの景色は鮮明に覚えています。


後ろ髪を引かれながら、そろそろ降りることにします。

砂利の多い下りの斜面は、重心が下にかかるので登りよりも格段に滑りやすくなっていて何度もズルっと行ってしまいました。

標高が高いところや山で空をみると、雲がとても近いように感じるこの感覚が非常に好きです。

どこにいても振り向けばしっかりとあの印象的な山々が見届けてくれています。

フィッツロイ登山のベストシーズンは12月から2月らしいので、どうやら私達はちょうど良い時期に来れたみたいです。

こんな道をずっと歩くので、何かしら野生の動物に出会わないかなってワクワクしていましたが、残念ながら動物には一度も遭遇しませんでした。

登りとは別のルートをとって下山しているので、行きでは見かけなかった湖に辿り着きました。

このあたりで日本語が聞こえてきたので、聞こえてくる方に目をやると、大学生くらいの男の子たちが3人で歩いていました。

話しかけることはしませんでしたが、あんな若い頃からここに来れるなんて羨ましいなぁと思ったり。英語を学んだり、海外に出たりっていうのは、可能であればもっと早い頃から経験して人生の世界をもっと広げておきたかったです。


そんなことを考えいたら…

あれ!?!?

少し手がビリビリするなぁ、標高の高低差かなぁって思っていたのですが、知らない間に手がめちゃくちゃ浮腫んでいました。

はめている指輪もいつもなら少し緩いくらいなのに、この時はパンパンでどうやっても抜ける気配なし!やばい。

とりあえずはすこしでも浮腫みが取れればと思い、冷水にしばらく手を浸してました。

変わらなかったけど、ずっと冷やしてても何も変わりそうにもなかったのでとりあえず早く麓に降りることにします。

ちなみに高山病の症状は一切ありませんでした。(ペルーのレインボーマウンテンはしっかり高山病にかかっており、めちゃくちゃしんどかったです)

このフィッツロイのある街エルチャルテンは「煙を吐く山」という意味があり、雲が年中かかっているそうです。

なので街中からフィッツロイを見ようにも煙に隠れて、なかなか姿を見ることができないと色んな人の記事で読んでいたのですが、私達が滞在したときは割と綺麗に雲が裂けて見ることができました。

この日ののっぺりとした形の雲が何だか凄く愛おしかった。

ここまで来たら、もう出口がかなり近くなってきました。

今までみたどの山よりもカッコよくて、登山のしんどさなんか吹き飛ぶほどの絶景を見せてくれたフィッツロイ。

この感動を味わってしまうと、たくさん旅をした人が最終的に行きつく場所が登山やトレッキングになるのも少し分かったような気がします。

ゆきも同じ気持ちになっていて、2人とも間違いなく人生で見た山で1番好きな場所になりました。

夕方6時。
ゲートまで降りてきたので、フィッツロイ登山終了です。

無事に怪我もなく下りて来れて良かったのだけれど、気に入りすぎで山を下りてしまったことが少し寂しくもありました。

本当に大満足すぎた登山です。


しばらくして街から山の方を振り返ると、ふっかり大きな雲に覆われてしまいそうだったので、天候に恵まれた良いタイミングで日帰り登山を完遂できたようです。

帰りにスーパーで水と食パンを購入。

チラホラとお土産屋さんもあったので、覗いてみると舞子さんや招き猫など何故か日本っぽいものが置いてありました(笑)

ちなみにアルゼンチンのお札がこちら。
動物が刷られているお金って可愛くて好きです。

あたりは夕陽でほんのりと赤く染まった雲がゆるやかに渦を巻いていました。

これもフィッツロイが吐いた雲なんだろうなぁと思うと愛しい気持ちにすらなり、人生でこんなにも山に心を掴まれた経験がないので、すっかり魅了されて不思議な感覚。

ちゃんと横断歩道を渡るわんちゃんも可愛い。

ここまで南下してきて本当に良かった。
ここは一生忘れることのない山になりそうです。


さて、今夜はこれから急いでアルゼンチン行きのバスを探して夜行バスで移動します!

山登りをした日にベッドで身体を休められないとなると、疲労が抜けなさそうですがこればかりはスケジュールを組んでるので仕方ない。(ウユニに到着したい日が決まっていたので)

長くなりましたが、読んでくれてグラシアス!(アルゼンチンのありがとう)